日本各地には、その土地に根ざして受け継がれてきた伝統工芸品が多く存在します。
その中でも「伝統的工芸品」とは、『伝統的工芸品産業の振興に関する法律』に基づいて経済産業大臣の指定を受けた工芸品を指します。
伝統的工芸品として認められるためには、“主として日常生活の用に供されるもの”、“その製造過程の主要部分が手工業的であること”などの要件を満たす必要があります。
それぞれの産地では、伝統的工芸品の技術を継承し発展させるべく、さまざまな取り組みが行われています。
今回は、北海道・東北地方の伝統的工芸品を紹介します。
経済産業大臣が指定した「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて認められた伝統工芸品のことを指す。
要件は、
・技術や技法、原材料がおよそ100年以上継承されていること
・日常生活で使用されていること
・主要部分が手作業で作られていること
・一定の地域で産業が成り立っていること
本記事の内容は、令和4年(2022年)1月時点のものです。
掲載内容は変更していることもありますので、ご留意ください。
北海道の伝統的工芸品
日本列島の最北端に位置し、都道府県の中では最も広い面積を持つ北海道。周囲を太平洋・日本海・オホーツク海の三海に囲まれた、世界有数の漁場です。この記事では、経済産業大臣によって北海道の「伝統的工芸品」として指定されている、二風谷イタ、二風谷アットゥㇱをご紹介します。
青森県の伝統的工芸品
ねぶた祭やリンゴの生産地として有名な、本州最北端に位置する青森県。国民的名曲ともいえる、石川さゆりさんが歌う“津軽海峡・冬景色”の舞台でもありますね。この記事では、経済産業大臣によって青森県の「伝統的工芸品」として指定されている津軽塗をご紹介します。
岩手県の伝統的工芸品
2011年、世界文化遺産に登録された、中尊寺金色堂を有する岩手県。岩手県久慈市はNHK連続テレビ小説・あまちゃんの舞台として、大きな注目を集めました。この記事では、経済産業大臣によって岩手県の「伝統的工芸品」として指定されている南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗をご紹介します。
宮城県の伝統的工芸品
ブランド米・ひとめぼれや仙台牛、142の漁港から水揚げされる海産物など、豊かな自然の恩恵をうけた産業が盛んに行われている宮城県。この記事では、経済産業大臣によって宮城県の「伝統的工芸品」として指定されている宮城伝統こけし、雄勝硯、鳴子漆器、仙台箪笥をご紹介します。
秋田県の伝統的工芸品
恐ろしい鬼のような面を付けた“なまはげ”で有名な秋田県。そんな秋田県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、20品目以上の伝統工芸品が存在します。この記事では、経済産業大臣によって秋田県の「伝統的工芸品」として指定されている樺細工、川連漆器、大館曲げわっぱ、秋田杉桶樽をご紹介します。
山形県の伝統的工芸品
ほのかな酸味とやさしい甘さ、赤い宝石とも称されるさくらんぼの名産地として有名な山形県。そんな山形県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、20品目以上の伝統工芸品が存在します。経済産業大臣によって山形県の「伝統的工芸品」として指定されている山形鋳物、置賜紬、山形仏壇、天童将棋駒、羽越しな布をご紹介します。
福島県の伝統的工芸品
出典:(公財)福島県観光物産交流協会 みちのく観光果樹園 (福島市)
東北地方の最南に位置する福島県は、47都道府県の中で3番目に面積が広い県です。福島県では、何百年も受け継がれてきた技術で作り上げた、30品目以上の伝統工芸品が存在します。経済産業大臣によって福島県の「伝統的工芸品」として指定されている会津塗、大堀相馬焼、会津本郷焼、奥会津編み組細工、奥会津昭和からむし織をご紹介します。
おわりに
伝統的工芸品について知ると、それぞれの産地の風土や歴史が見えてきます。
北海道・東北の伝統的工芸品は、寒冷な気候や豊富な森林資源から生まれたものが多いようです。
また、伝統の技法をベースに、現代のニーズに合わせた新しいデザインや商品が多く生み出されていることも、伝統的工芸品の魅力。
知れば知るほど奥が深い伝統的工芸品を、手に取って楽しんでみませんか。
日本には何十年、何百年も前から受け継がれてきた技術を用いた、伝統工芸品が数多く存在します。技術の革新により機械化が進み、安価で使いやすい商品がどんどん市場に出回っている昨今、手作業で作られる伝統工芸品は需要が少なくなり、追い詰められているのが現状です。
伝統工芸士とは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事する技術者かつ高度な技術・技法を保持する職人のことであり、国家資格です。この記事では、なるにはどうしたらよいのか、伝統的工芸品の種類や伝統工芸士の資格・認定について、女性工芸士の活躍のほか、もっと伝統的工芸品に触れるために活用したい施設などをご紹介します。
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金工とは金属に細工をする工芸、あるいはその職人のことを指し、金属を加工して作られる工芸品のことを金工品と言います。日本に金属とその加工技術がもたらされたのは、弥生時代初期、紀元前200年頃のこと。中国大陸・朝鮮半島から伝わった金工技術によって剣や銅鐸、装身具などが作られ、材料として青銅や鉄が使われていました。
部屋の中にひっそりとたたずみ、独特な表情をたたえるこけし。
そのなんともいえない魅力にひかれ、こけしをコレクションする「こけ女(こけし女子)」も増えているといいます。
また、古くからつくられてきた伝統的なこけしだけでなく、モダンで新しい創作こけしや近代こけしも人気を集めています。
粘土を成形し、高温の窯などで焼成し器や造形物を作ることを陶芸と言います。
火山の噴火によってできる岩石が長い年月をかけ砕かれ、有機物と混ざりあったものが粘土。
世界中に存在しています。
陶芸によって作られる陶磁器と呼ばれるものにはおおまかに2種類あり、土が主な原料で叩いた時ににぶい音がするのが「陶器」。