画像提供:うどん県旅ネット(公益社団法人香川県観光協会)
温暖な気候に恵まれ、瀬戸内海の美しい島々に囲まれた香川県は、“うどん県”とも呼ばれるほど讃岐うどんの地として有名ですね。
47都道府県で最も面積が小さい県ですが、オリーブの産地の小豆島や“金毘羅参り”で名高い金刀比羅宮、現代アートの島として知られる直島など、見どころ満載!
そんな香川県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、30品目以上の伝統工芸品が存在します。
この記事では、その中でも経済産業大臣によって香川県の「伝統的工芸品」として指定されている、香川漆器、丸亀うちわをご紹介します。
経済産業大臣が指定した「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて認められた伝統工芸品のことを指す。
要件は、
・技術や技法、原材料がおよそ100年以上継承されていること
・日常生活で使用されていること
・主要部分が手作業で作られていること
・一定の地域で産業が成り立っていること
本記事の内容は、令和4年(2022年)3月時点のものです。
掲載内容は変更していることもありますので、ご留意ください。
香川漆器
「香川漆器」は、香川県高松市を中心に生産されている漆器で、机やお盆、茶道具などさまざまな製品が作られています。
華やかな模様や光沢のある艶、しっとりと手になじむ肌触りが特徴です。
江戸時代後期、玉楮象谷という漆工職人が、タイや中国から伝えられた漆器の技法に日本伝統の漆器技法を取り入れ、香川漆器の基礎が築かれました。
中でも、蒟醤・彫漆・存清・後藤塗・象谷塗の5つの塗技法で作られる香川漆器が、伝統的工芸品に指定されています。
代表的な“蒟醤”は、漆を塗り重ねた表面に彫刻刀で線を彫り、そのくぼみに色漆を入れて表面を平らに研ぎだすもので、深みのある格調高い模様が魅力です。
丸亀うちわ
「丸亀うちわ」とは、香川県丸亀市周辺で古くから職人たちの手作業で作られてきた竹製のうちわです。
江戸時代初めに香川県の金毘羅大権現(現在の金刀比羅宮)を参拝する“金毘羅参り”の土産物として考案された、金の印が入った渋うちわ(男竹丸柄うちわ)が丸亀うちわのルーツだといわれています。
その後、柄が細い女竹丸柄うちわや、柄が平たい男竹平柄うちわも誕生。
また、京極丸亀藩が武士の内職として丸亀うちわの製造を推奨したことで、うちわは丸亀の地場産業となりました。
丸亀うちわは、柄と骨が1本の竹材から作り出されることが多いのが特徴です。
“骨”と“貼り”に分かれて47もの工程があり、一定の幅に切った竹に骨の数の分だけ切り込みを入れて広げ、糸で編んで仕上げた骨に、丁寧に和紙を貼り付けていきます。
竹と和紙のみでできた丸亀うちわは、手なじみが良くて軽いため、仰ぎやすく、柔らかい風を生み出すのが魅力です。
丸亀うちわについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください♪
古くより日本人の暮らしの中に根付いてきた「うちわ」。
今でも、年間1億本を超えるうちわが国内で生産されていますが、その約9割が、讃岐うどんでも有名な香川県丸亀市で作られていることをご存じでしょうか?
この記事では、日本一のうちわどころが誇る「丸亀うちわ」の歴史や特徴、その伝統の技についてご紹介します。
その他の伝統工芸品
工芸品名 | 概要 |
香川漆器 | 読み:かがわしっき カテゴリ:漆器 主要製造地域:高松市ほか 指定:国 |
丸亀うちわ | 読み:まるがめうちわ カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:丸亀市 指定:国 |
讃岐桶樽 | 読み:さぬきおけだる カテゴリ:木工品 主要製造地域:三木町、綾川町 指定:県 |
欄間彫刻 | 読み:らんまちょうこく カテゴリ:木工品 主要製造地域:高松市、観音寺市ほか 指定:県 |
組手障子 | 読み:くでしょうじ カテゴリ:木工品 主要製造地域:高松市ほか 指定:県 |
肥松木工品 | 読み:こえまつもっこうひん カテゴリ:木工品 主要製造地域:高松市 指定:県 |
志度桐下駄 | 読み:しどきりげた カテゴリ:木工品 主要製造地域:さぬき市、高松市 指定:県 |
讃岐一刀彫 | 読み:さぬきいっとうぼり カテゴリ:木工品 主要製造地域:丸亀市、琴平町、まんのう町 指定:県 |
桐箱 | 読み:きりばこ カテゴリ:木工品 主要製造地域:高松市、琴平町 指定:県 |
菓子木型 | 読み:かしきがた カテゴリ:木工品 主要製造地域:高松市 指定:県 |
讃岐提灯 | 読み:さぬきちょうちん カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:高松市 指定:県 |
高松和傘 | 読み:たかまつわがさ カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:高松市 指定:県 |
一閑張・一貫張 | 読み:いっかんばり・いっかんばり カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:坂出市、丸亀市 指定:県 |
香川竹細工 | 読み:かがわたけざいく カテゴリ:竹工品 主要製造地域:さぬき市 指定:県 |
竹一刀彫 | 読み:たけいっとうぼり カテゴリ:竹工品 主要製造地域:三木町 指定:県 |
古式畳 | 読み:こしきだたみ カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:高松市ほか 指定:県 |
神懸焼 | 読み:かんかけやき カテゴリ:陶磁器 主要製造地域:小豆島町 指定:県 |
岡本焼 | 読み:おかもとやき カテゴリ:陶磁器 主要製造地域:三豊市 指定:県 |
理平焼 | 読み:りへいやき カテゴリ:陶磁器 主要製造地域:高松市 指定:県 |
讃岐装飾瓦 | 読み:さぬきそうしょくがわら カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:三木町、三豊市 指定:県 |
豊島石灯籠 | 読み:てしまいしどうろう カテゴリ:石工品 主要製造地域:土庄町 指定:県 |
庵治産地石製品 | 読み:あじさんちいしせいひん カテゴリ:石工品 主要製造地域:高松市 指定:県 |
鷲ノ山石工品 | 読み:わしのやませっこうひん カテゴリ:石工品 主要製造地域:高松市 指定:県 |
打出し銅器 | 読み:うちだしどうき カテゴリ:金工品 主要製造地域:高松市 指定:県 |
左官鏝 | 読み:さかんごて カテゴリ:工芸用具 主要製造地域:高松市 指定:県 |
讃岐鍛冶製品 | 読み:さぬきかじせいひん カテゴリ:金工品 主要製造地域:観音寺市 指定:県 |
讃岐鋳造品 | 読み:さぬきちゅうぞうひん カテゴリ:金工品 主要製造地域:高松市、三豊市 指定:県 |
保多織 | 読み:ぼたおり カテゴリ:織物 主要製造地域:高松市 指定:県 |
讃岐のり染 | 読み:さぬきのりぞめ カテゴリ:染色品 主要製造地域:高松市、琴平町、観音寺市 指定:県 |
讃岐獅子頭 | 読み:さぬきししがしら カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:高松市、善通寺市、三豊市 指定:県 |
手描き鯉のぼり | 読み:てがきこいのぼり カテゴリ:その他の繊維製品 主要製造地域:坂出市 指定:県 |
金糸銀糸装飾刺繍 | 読み:きんしぎんしそうしょくししゅう カテゴリ:その他の繊維製品 主要製造地域:観音寺市 指定:県 |
節句人形 | 読み:せっくにんぎょう カテゴリ:人形 主要製造地域:三豊市、観音寺市 指定:県 |
高松張子 | 読み:たかまつはりこ カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:高松市 指定:県 |
高松嫁入人形 | 読み:たかまつよめいりにんぎょう カテゴリ:人形 主要製造地域:高松市 指定:県 |
張子虎 | 読み:はりこどら カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:三豊市 指定:県 |
讃岐かがり手まり | 読み:さぬきかがりてまり カテゴリ:その他の工芸品 主要製造地域:高松市ほか 指定:県 |
日本各地には、何百年も前から受け継がれてきた技術を用いて作られる工芸品や美術品がたくさん存在します。日本に数多くある伝統的工芸品のうち、ここでは四国地方に伝わる9品目をご紹介します。
日本には何十年、何百年も前から受け継がれてきた技術を用いた、伝統工芸品が数多く存在します。技術の革新により機械化が進み、安価で使いやすい商品がどんどん市場に出回っている昨今、手作業で作られる伝統工芸品は需要が少なくなり、追い詰められているのが現状です。
伝統工芸士とは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事する技術者かつ高度な技術・技法を保持する職人のことであり、国家資格です。この記事では、なるにはどうしたらよいのか、伝統的工芸品の種類や伝統工芸士の資格・認定について、女性工芸士の活躍のほか、もっと伝統的工芸品に触れるために活用したい施設などをご紹介します。
「漆器(しっき)」とは、木や紙の表面に漆を塗り重ねて仕上げる工芸品です。丈夫で耐久性があり、加飾技法も多種多様で、日常の漆器から代表的な建築、仏像、芸術品までさまざまな用途に用いられてきました。この記事では、漆器の歴史や特徴、全国の有名な漆器の種類や技法などをご紹介します。
漆器は大きく分けると「木地」、「下地塗り」、「中塗り・上塗り」、「加飾」の4つの工程で作られます。その工程の中でも、素材や品質によってさらに種類があり、高価なものから安価なものまで分かれています。
漆器は日本だけでなく、アジアの広い地域でみられます。中国の浙江省河姆渡遺跡から発見された、約7500~7400年前に作られた木製の弓矢に漆が塗られていたことから、これが最古の漆器とされています。
普段、どんな食器をお使いですか。ずっと触れていたい手触りや口当たりを、食器に感じたことはありますか。食器を変えれば、食卓が変化します。手になじむ優しい漆器は、食器を手にとって食べる日本食のスタイルに非常に適しています。
漆器というと、「手入れが大変そう…」や「敷居が高そう…」といったイメージを持ってはいませんか!?
しかし、実は漆器のお手入れはそれほど難しくなく、いくつかのポイントを押さえておけば、他の食器同様に使えるんですよ♪
扇子は、暑い夏を心地良く過ごそうとした昔の日本人の知恵が凝縮されている、伝統工芸品の一つです。今では日本人の暮らしの中に浸透している扇子ですが、中国から伝わってきたうちわから誕生したことはご存知でしたか?
松の盆栽は、真柏(しんぱく)の盆栽と並んで日本の盆栽界の主流の1つです。盆栽に使われている松の主な樹種は、6種あります。
日本一の生産県は、「うどん県」として知られている香川県ですが、その生産地の中心は高松市です。