日本で古くから親しまれてきた、歴史ある四角い布「風呂敷」。

風呂敷は、さまざまな形のものを自由自在に包める柔軟さが魅力です。

近年では、おしゃれでかわいい風呂敷が続々と登場し、レジバッグやエコバッグ代わりに注目を集めていますね。

この記事では、風呂敷の歴史や種類、結び方や包み方から、風呂敷で簡単に作れる風呂敷バッグの作り方についてご紹介します。

風呂敷とは

風呂敷って何?~歴史と由来~

みなさんは、風呂敷がどれくらい古くから使われているものなのかご存知ですか?

なんと、風呂敷の歴史は奈良時代まで遡ることができるんです!

そんな風呂敷の歴史と由来をみていきましょう。

奈良時代
この頃には既に“ものを包む”という収納の用途で風呂敷の起源となるものが存在していました。

当時の女性が正装時に使った領布ひれと呼ばれる長いスカーフのような布などを繋ぎ合わせて、舞楽装束ぶがくしょうぞくを包んだものが正倉院に残っています。

平安時代
文治4年(1188年)に大阪四天王寺に奉納された「扇面古写経せんめんこしゃきょう」巻七の市場図の下絵に、衣類を包んだ布を頭にのせて運ぶ女性が描かれています。

風呂敷の前身となるこのような包みは、当時は平包ひらつつみ包袱ほうふく、衣包みなどと呼ばれていました。

室町時代
足利義満が建立した大湯殿で、大名たちが入浴するときに衣類を取り違わないため、家紋のついた布に平包みにして置き、お湯から上がるとその包みを開いて、その布の上に座って服を着たといわれています。

安土桃山時代
京都・西本願寺境内にある飛雲閣の浴室が蒸風呂のようなものだったので、ここに高貴な人物が入るときには、身体が風呂の底に直接触れないよう、床に四角の布を敷いて入浴していました。

この風呂に敷く布のことを「風呂敷」というようになったと伝えられています。

江戸時代
江戸時代になると、一般庶民も銭湯で入浴するようになり、それと共に風呂敷も庶民の間に浸透していきました。

この頃になると風呂敷は、風呂で湯具を包んだり、床に敷いて湯上りの身支度をした後、入浴後の濡れた物を包んで持ち帰るのに使われていました。

次第に大小さまざまな風呂敷に荷物を包んで背負って歩く行商人や旅人が多く見られるようになり、中には宣伝効果を狙い屋号や商標を染め抜いた風呂敷に呉服などの商品を包み、東海道を行き来する者も出てきます。

明治時代
西洋から入ってきた鞄を使う人が増えていくにつれ、風呂敷の利用が減っていきました。

しかし、最近ではレジ袋やエコバッグ代わりに風呂敷をバッグとして利用するなど、新しい使い方が見られるようになってきました。

風呂敷の種類~サイズ・素材・模様や色

風呂敷のサイズ

風呂敷のサイズは、風呂敷が織物の1反(幅約35cm~40cm、長さ約12m)を利用して作られてきたことから、鯨尺くじらじゃくの九寸(約34㎝)を「一はば」とする昔ながらの単位を使って表示されます。

※鯨尺:主に和裁に使われた単位で、かつて仕立てに使う物差しが鯨のひげで作られていたことに由来する。鯨尺は現在よく使用する曲尺かねじゃくの1.25倍で、鯨尺1尺は約37.8㎝、鯨尺1寸は鯨尺一尺の10分の1。

風呂敷のサイズ単位(cm)用途例
中巾約45cmのし袋や小物のラッピング
尺三巾約50cmお弁当包みや小物のラッピング、袱紗やバンダナ
尺四巾約53cmお弁当包みや小物のラッピング、袱紗やバンダナ
二巾約68cm進物、菓子折りを包むとき
二尺巾約75cmワインボトル1本、小ぶりの風呂敷バッグ制作
二四巾約90cmワインボトル2本、一升瓶1本、ドロップバッグ制作
三巾約105cmタペストリー・テーブルクロス等のインテリア
四巾約130cmこたつがけ、ショルダーバッグ制作
五巾約175cmこたつがけ
六巾約200cm布団類
七巾約230cm布団類


また、茶道で良く耳にする「袱紗ふくさ」も風呂敷の一種なんですよ。

風呂敷の素材

風呂敷の素材も、時代が変わるにつれ進化しています。

伝統的な風呂敷の素材である絹と綿に加えて、近年ではレーヨンやポリエステル、そして再生繊維や撥水加工を施したものなど、利用者のニーズに対応した素材の風呂敷が誕生しています。

風呂敷の模様や色

風呂敷といえば、萌葱もえぎ色と呼ばれるダークグリーンに唐草模様の風呂敷を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

風呂敷には昔から朱色、紫色、藍色、えんじ色など、日本の伝統色が使われてきました。

また、家紋や花鳥風月などの吉祥文様きっしょうもんようと呼ばれる伝統的な和のデザインが主流でした。

しかし、現在ではモダンな色使いで、おしゃれでかわいいデザインの風呂敷が登場しています。

たとえば、北欧風のデザインや国内外のデザイナーが手掛けるブランドもの、それにディズニー等のキャラクターものまで!

このように、従来の型に捕らわれない、自由な発想の風呂敷が増えているんです。

風呂敷の結び方

風呂敷の結び方の基本となるのは「真結び」と「一つ結び」です。

この二つを組み合わせると、風呂敷を自由自在に包むことができるようになるので、とても重宝しますよ。

風呂敷バッグを作るときにも活躍するベーシックな結び方です。

真結び

真結びは、風呂敷を使っている間に結び目がゆるむことがなく、ほどくときにはスルスルとほどける便利な結び方です。

一つ結び
風呂敷の端をもって指にゆるく巻くように輪を作り、手前からくぐらせて先端を引き出すだけで完成する、とっても簡単な結び方です。

この二つの結び方ができれば、風呂敷バッグもできちゃいます♪

風呂敷の包み方

ここでは、数ある包み方の中から、ぜひ押さえておきたい風呂敷の基本の包み方7つと、簡単な風呂敷バッグの作り方をご紹介します!

風呂敷の基本の7つの包み方

①平包み

平包みは結び目のないシンプルな包み方です。

格の高い包み方ですので、お届け物のときにオススメ。

そして、結び目がないので、美しい風呂敷の絵柄を最大に生かすことができます。

1.風呂敷を裏にして、ひし形になるように置きます。
このとき風呂敷の見せたいデザイン(主柄)が奥にくるようにします。

2.風呂敷の中央に包みたい物を置きます。

3.手前の布を包み物に被せ、先端を包み物の下に折り込みます。

4.左の布を、右手で角がきれいに出るように整えながら、箱にそって被せます。
同様に右の布も被せていきます。

5.奥の布を被せ、形を整え、端を包み物の下に折り込めば、平包みのできあがりです!

②お使い包み

お使い包みは、普段使いからフォーマルなシーンまで幅広く使える包み方です。

1.風呂敷を裏にして、ひし形になるように置きます。
このとき風呂敷の見せたいデザイン(主柄)が奥にくるようにします。

2.風呂敷の中央に包みたい物を置きます。

3.手前の布を包みものに被せ、先端を包み物の下に折り込みます。

4.奥の布を手前に被せ、先端を包み物の下に折り込みます。

5.左側の布、続いて右側の布を被せていきます。

6.左右の布で真結びし、結び目を整えて、お使い包みのできあがりです♪

③隠し包み

隠し包みは、平包みの上品さとお使い包みの便利さを組み合わせた包み方です。

1.風呂敷を裏にして、ひし形になるように置きます。
このとき風呂敷の見せたいデザインのある方(主柄)が奥にくるようにします。

2.風呂敷の中央に包みたい物を置きます。

3.手前の布を包みものに被せ、先端を包み物の下に折り込みます。

4.左の布を、右手で角がきれいに出るように整えながら被せます。
同様に右の布も被せます。

5.左右の布で真結びし、結び目を整えます。

6.奥の布を結び目の上から被せ、端を包み物の下に折り込んで、隠し包みのできあがりです。

④四つ結び

四つ結びは、箱物や正方形の重箱にぴったりの結び方です。

二つの真結びでしっかりと包めます。

1.風呂敷を裏にして、ひし形になるように置きます。

2.風呂敷の中央に包みたい物を置きます。

3.手前と奥の布を真結びし、結び目を整えます。

4.左右の布を真結びし、結び目を整えてできあがりです。

⑤二つ結び

二つ結びは、細長いものを包むときにぴったりの包み方です。

真結びが二つ並びます。

1.風呂敷を裏にして、ひし形になるように置きます。

2.風呂敷の中央に包みたい物を横長に置きます。

3.風呂敷の手前と奥を持ち上げ交差させます。

4.交差した部分が中央になるように左右に引っ張り、ぎゅっと締めます。

5.左側の布と4の左側の布を真結びし、結び目を整えます。

6.右側も同様に真結びし、結び目を整えできあがりです。

包み物を取り出すときは、片方の結び目をほどくと簡単に取り出せます。

⑥竿包み
竿包みは、長いものが何本かあるときに、まとめてしっかり包むのにぴったりの包み方です。

二つ結びの結び目が裏側に来るイメージです。

1.風呂敷を裏にして、ひし形になるように置きます。

2.風呂敷の中央に包みたい物を横長に置きます。

3.風呂敷の手前と奥を持ち上げ交差させます。

4.交差した部分が中央になるように左右に引っ張り、ぎゅっと締めます。

5.左側の布と4の左側の布を交差させながら後ろ側にまわして真結びし、結び目を整えます。

6.右側も同様に真結びし、結び目を整えできあがりです

⑦巻き包み

巻き包みは、筒状のものを包むのにぴったりの包み方です。

1.風呂敷を裏にして、ひし形になるように置きます。

2.風呂敷の中央に包みたい物を横長に置きます。

3.手前の布を包みものに被せ、くるくると巻きます。

4.左右の布を交差させて裏側にまわし、真結びして結び目を整えたらできあがりです。

風呂敷をバッグ代わりに!風呂敷ドロップバッグ

簡単に作れてレジ袋やエコバッグ代わりになる「風呂敷ドロップバッグ」の作り方をご紹介します。

二巾(70㎝)や二尺巾(75㎝)の風呂敷を使えば小ぶりなショッピングバッグ、女性なら二四巾(約90㎝)以上、男性なら三巾(約90㎝)以上の風呂敷を使えばショルダーバッグになりますよ。

1.風呂敷を中表に三角に折ります。
ポイント:洗濯表示のタグが後でハンドルになる三角形の頂点に来ないようにしましょう。

2.三角形の両端を頂点から半分~1/3くらいの位置で一つ結びします。
ポイント:結び目からの長さが左右同じになるようにしましょう。

3.三角形の頂点の布を開いてひっくり返し、風呂敷の表を出します。

4.一つ結びした両端を内側に入れます。

5.先端を真結びして、ドロップバッグの完成です。

風呂敷の畳み方と洗濯方法

風呂敷のシワを減らす畳み方は?

風呂敷は、小さく畳んでバッグやポケットの中に忍ばせることができて便利ですよね。

でも、綿や絹など素材や布の織り方によっては、小さく畳めば畳むほどシワになりやすい風呂敷もあるので、気になる方も多いかも。

そこで、シワが少なくなる簡単な畳み方をご紹介します。

まず風呂敷を三つ折りにします。

そして端からくるくると丸めます。

これで完了です。

完全にシワができないわけではありませんが、四つ折りを繰り返して畳むよりシワが少なくなりますよ。

風呂敷の洗い方

風呂敷の洗い方は素材(絹、綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロンなど)や加工により違います。

風呂敷には洗濯表示のタグがついているので、洗う前にしっかり確認しましょう。

ここでは素材別の洗い方をご紹介します。

絹の風呂敷
絹の風呂敷は、絹ならではの美しい光沢と風合いが魅力ですね。

絹の風呂敷の多くが水で縮みやすい縮緬(またはクレープ織り)と呼ばれる生地でできています。

さらに、絹の中には水に濡れるだけでシミになったり、水で洗うと色が抜けたり柄が滲んでしまうものがあります。

ですので、絹の風呂敷はドライクリーニングに出すのがオススメです。

アイロンは、あて布をして中温でかけてください。

なお、絹は日光で色あせるので、日光の入らない場所で保管しましょう。

綿の風呂敷
綿の風呂敷は、丈夫でお手入れも簡単なので、普段使いに最適ですね。

洗濯機で洗えるものがほとんどです。

綿の風呂敷のきれいな色と柄を保つには、お湯で洗うと色が落ちやすくなるので、必ず水で洗い、つけ置き洗いは避けましょう。

アイロンは高温でかけても大丈夫ですが、防水加工や刺繍などがある場合は洗濯方法のタグで確認しましょう。

レーヨンの風呂敷
レーヨンは、絹のような風合いを持つ人工繊維です。

水で縮むので、レーヨンの風呂敷の洗濯はドライクリーニングに出しましょう。

アイロンは、あて布をして中温以下で。

ポリエステルとナイロンの風呂敷
ポリエステルとナイロンの風呂敷は、水で洗っても通常縮んだり色落ちたりしないので、ほとんどが洗濯機で洗えます。

シワにもなりにくいのですが、あまりに高温だと溶けてしまうことがあるので、アイロンをかける際は低温でかけてください。

その他、再生繊維や防水・撥水加工を施しているものは、風呂敷の洗濯表示タグを参考にお手入れして、風呂敷を美しい状態に保ちましょう。

おわりに

1000年以上もの長い歴史を持つ風呂敷が、環境問題やレジ袋の有料化などをきっかけに、今また脚光を浴びています。

呼び名や結び方、包み方などの伝統を受け継ぎつつ、時代に合わせた自由な発想と使い方で、風呂敷を普段の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。