日本各地には、その土地に根ざして受け継がれてきた技法や材料を用いて作られる工芸品が数多く存在します。
その中でも「伝統的工芸品」とは、『伝統的工芸品産業の振興に関する法律』に基づいて、経済産業大臣の指定を受けた工芸品を指します。
日本海と瀬戸内海に挟まれ、温暖で過ごしやすい気候の中国地方では、豊かな文化が育まれてきました。
その地の地場産業でもある伝統的工芸品を知ることは、中国地方の歴史や風土をより理解することに役立つでしょう。
今回は、中国地方5県の伝統的工芸品16品目についてご紹介します。
経済産業大臣が指定した「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて認められた伝統工芸品のことを指す。
要件は、
・技術や技法、原材料がおよそ100年以上継承されていること
・日常生活で使用されていること
・主要部分が手作業で作られていること
・一定の地域で産業が成り立っていること
本記事の内容は、令和3年(2021年)12月時点のものです。
掲載内容は変更していることもありますので、ご留意ください。
鳥取県の伝統的工芸品
日本最大級の砂丘があることでも有名な鳥取県。北に日本海、南に中国地方の最高峰・大山を有し、自然に恵まれています。そんな鳥取県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、40品目以上の伝統工芸品が存在。経済産業大臣によって鳥取県の「伝統的工芸品」として指定されている因州和紙、弓浜絣、出雲石燈ろうをご紹介します。
島根県の伝統的工芸品
東西に長い特徴的な地形を持ち山地や丘陵地が面積の9割を占める島根県。そんな島根県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、60品目以上の伝統工芸品が存在します。この記事では、その中でも経済産業大臣によって島根県の「伝統的工芸品」として指定されている出雲石燈ろう、雲州そろばん、石州和紙、石見焼をご紹介します。
岡山県の伝統的工芸品
本州と四国地方を繋ぐ、世界最大級の道路・鉄道併用橋の“瀬戸大橋”で有名な岡山県。そんな岡山県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、10品目以上の伝統工芸品が存在します。この記事では、その中でも経済産業大臣によって岡山県の「伝統的工芸品」として指定されている、勝山竹細工、備前焼をご紹介します。
広島県の伝統的工芸品
広島県は、降水量が少なく、冬でも比較的あたたかいので、1年を通して過ごしやすい県です。そんな広島県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、14品目以上の伝統工芸品が存在します。経済産業大臣によって広島県の「伝統的工芸品」として指定されている、熊野筆、広島仏壇、宮島細工、福山琴、川尻筆をご紹介します。
山口県の伝統的工芸品
本州の最西端に位置し、瀬戸内海と日本海に囲まれ、さまざまな美しい海の表情を楽しむことができる山口県。そんな山口県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、7品目以上の伝統工芸品が存在します。その中でも経済産業大臣によって山口県の「伝統的工芸品」として指定されている、赤間硯、大内塗、萩焼をご紹介します。
おわりに
伝統的工芸品について調べると、その土地の風土や歴史を知ることができます。
中国地方の伝統的工芸品は、どれも素朴かつ実用的で、そして暮らしに寄り添うものでした。
また、それぞれの工芸品から、脈々と受け継がれてきた職人の技術の高さがうかがえましたね。
これを機に、日本の歴史や人々の想いが詰まった伝統的工芸品に触れてみるのはいかがでしょうか?
こんにちは!旅行が大好きなワゴコロ編集部の小島です!今回は、私が実際に5日間かけて行った、「青春18きっぷ中国地方一周一人旅」の旅行記をお届けします。青春18きっぷの基本情報やオススメスポットなども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください♪
日本には何十年、何百年も前から受け継がれてきた技術を用いた、伝統工芸品が数多く存在します。技術の革新により機械化が進み、安価で使いやすい商品がどんどん市場に出回っている昨今、手作業で作られる伝統工芸品は需要が少なくなり、追い詰められているのが現状です。
伝統工芸士とは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事する技術者かつ高度な技術・技法を保持する職人のことであり、国家資格です。この記事では、なるにはどうしたらよいのか、伝統的工芸品の種類や伝統工芸士の資格・認定について、女性工芸士の活躍のほか、もっと伝統的工芸品に触れるために活用したい施設などをご紹介します。
和紙は古来から日本で作られてきました。和紙の作成技術の起源には諸説ありますが、有力な説は、日本書紀に書かれている西暦610年に朝鮮から仏教の僧によってもたらされたというものです。当時は聖徳太子が活躍していた時代でした。
織物とは、経糸と緯糸を交差させて作る布地のことをいいます。日本の織物は、古くから受け継がれる伝統的な手法によって職人の手で一つずつ丁寧に作り上げられる、非常に奥深い工芸品です。この記事では、織物の種類や歴史など、日本各地の織物についてご紹介します。
日本には多くの種類の織物があります。どの織物も素晴らしい技術を使って織られますが、その中でもこの記事では国によって伝統的工芸品に指定されている38種類の織物を紹介します。材料や織り方、染め方など、地域の特性を生かして織り出される布は、どれも独特な個性があるので比べてみると楽しいかも知れません。
粘土を成形し、高温の窯などで焼成し器や造形物を作ることを陶芸と言います。
火山の噴火によってできる岩石が長い年月をかけ砕かれ、有機物と混ざりあったものが粘土。
世界中に存在しています。
陶芸によって作られる陶磁器と呼ばれるものにはおおまかに2種類あり、土が主な原料で叩いた時ににぶい音がするのが「陶器」。
「漆器(しっき)」とは、木や紙の表面に漆を塗り重ねて仕上げる工芸品です。丈夫で耐久性があり、加飾技法も多種多様で、日常の漆器から代表的な建築、仏像、芸術品までさまざまな用途に用いられてきました。この記事では、漆器の歴史や特徴、全国の有名な漆器の種類や技法などをご紹介します。
指物とは、釘を使わずにホゾや継ぎ手で木材を組み、且つ外側に組み手を見せない細工を施した木工品をいいます。指物と言うよりは和箪笥、和家具と言った方が、想像しやすいかもしれません。
指物と言われる由縁(ゆえん)は、物差しを多用し、木を組んで制作することから来ています。