日本列島の最北端に位置し、都道府県の中では最も広い面積を持つ北海道。
周囲を太平洋・日本海・オホーツク海の三海に囲まれた、世界有数の漁場です。
豊かな自然に恵まれており、マリモや昭和新山等、天然記念物や絶滅危惧種の動物も数多く生息しています。
そんな北海道では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、20品目以上の伝統工芸品が存在します。
この記事では、経済産業大臣によって北海道の「伝統的工芸品」として指定されている、二風谷イタ、二風谷アットゥㇱをご紹介します。
経済産業大臣が指定した「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて認められた伝統工芸品のことを指す。
要件は、
・技術や技法、原材料がおよそ100年以上継承されていること
・日常生活で使用されていること
・主要部分が手作業で作られていること
・一定の地域で産業が成り立っていること
本記事の内容は、令和4年(2022年)1月時点のものです。
掲載内容は変更していることもありますので、ご留意ください。
二風谷イタ
「二風谷イタ」は、北海道沙流郡平取町の二風谷地区で主に生産される木製のお盆です。
素材はカツラやクルミなどの木で、うずまき模様やウロコ模様など、アイヌ※1伝統の文様が華やかに彫り込まれているのが特徴です。
日用品を文様で美しく飾る志向が強かったという、アイヌ文化を色濃く反映している工芸品といえます。
江戸時代末期には、松前藩※2が幕府に献上していたことが史料に残されており、100年以上に渡ってアイヌの木彫り技術が継承されてきたことがわかります。
※1 アイヌ:北海道を中心に日本の北部に居住していた先住民族の呼称。
※2 松前藩:秋田県男鹿市戸賀塩浜沖の日本海に浮かぶ夷島や北海道松前郡松前町に居所を置いた藩。
二風谷アットゥㇱ
こちらも【二風谷イタ】同様、主に沙流郡平取町の二風谷地区で作られる工芸品で、樹皮の糸で織られた反物「二風谷アットゥㇱ」です。
もともとは、アイヌの女性たちが家族を寒さから守るための衣服として作っていたものですが、江戸時代には本州との交易にも利用され、工芸品としての価値を高めていきました。
オヒョウやシナの木を主な素材としており、剥いだ樹皮から糸を作り、織り上げるまでにいくつもの工程を経ます。
通気性に優れ、水に強く丈夫なことを特徴とし、現代では着物の帯や小物などに多く使われています。
日本には何十年、何百年も前から受け継がれてきた技術を用いた、伝統工芸品が数多く存在します。技術の革新により機械化が進み、安価で使いやすい商品がどんどん市場に出回っている昨今、手作業で作られる伝統工芸品は需要が少なくなり、追い詰められているのが現状です。
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