日本には、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、日用品の伝統工芸品が多数存在します。
これらのいくつかは、経済産業大臣によって「伝統的工芸品」として指定されています。
具体的には、伝統的な材料や受け継がれてきた手工業で作られる日用品で、一定の地域にそれなりの人数がその製造に従事していることが要件になります。
全国では200品目以上ありますが、関東地方ではそのうちの35品目が伝統的工芸品として認定されています。
関東は古くから養蚕や木の産地として知られていました。
また、江戸時代には日本の中心となった江戸に全国から職人が集まり、武家や町人の文化が加わり、新たな工芸品も生まれています。
本記事では、今も脈々と継承されている関東地方の伝統的工芸品をご紹介します。
経済産業大臣が指定した「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて認められた伝統工芸品のことを指す。
要件は、
・技術や技法、原材料がおよそ100年以上継承されていること
・日常生活で使用されていること
・主要部分が手作業で作られていること
・一定の地域で産業が成り立っていること
本記事の内容は、令和3年(2021年)12月時点のものです。
掲載内容は変更していることもありますので、ご留意ください。
茨城県の伝統的工芸品
筑波山や霞ケ浦など、自然豊かな茨城県。そんな茨城県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、40品目以上の伝統工芸品が存在します。この記事では、経済産業大臣によって茨城県の「伝統的工芸品」として指定されている結城紬、笠間焼、真壁石燈籠をご紹介します。
栃木県の伝統的工芸品
ユネスコ世界文化遺産に登録された日光東照宮や、歴史的な寺社を多く持つ栃木県。関東地方の北部に位置し、鬼怒川温泉や那須塩原は観光地としても人気があります。この記事では、経済産業大臣によって栃木県の「伝統的工芸品」として指定されている益子焼、結城紬をご紹介します。
群馬県の伝統的工芸品
関東地方の北西部に位置する群馬県は、草津温泉を代表に、100か所以上の温泉地を有する温泉大国です。平成26年(2014年)には、“富岡製糸場と絹産業遺産群”が世界遺産に登録されました。この記事では、その中でも経済産業大臣によって群馬県の「伝統的工芸品」として指定されている伊勢崎絣、桐生織をご紹介します。
埼玉県の伝統的工芸品
関東地方の中央に位置し、全国的に見ても快晴日数が多い埼玉県。そんな埼玉県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、30品目の伝統工芸品が存在します。経済産業大臣によって埼玉県の「伝統的工芸品」として指定されている春日部桐箪笥、岩槻人形、秩父銘仙、行田足袋、江戸木目込人形、江戸押絵をご紹介します。
千葉県の伝統的工芸品
日本の玄関口として、年間約4,000万人が利用する成田空港がある千葉県。そんな千葉県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、80品目以上の伝統工芸品が存在します。この記事では、その中でも経済産業大臣によって千葉県の「伝統的工芸品」として指定されている房州うちわ、千葉工匠具をご紹介します。
東京都の伝統的工芸品
日本の首都である東京都。都内各地には、東京タワーや東京スカイツリー、浅草寺といった名所が数多くあり、海外からも観光客が訪れます。経済産業大臣によって東京都の「伝統的工芸品」として指定されている村山大島紬、東京染小紋、江戸木目込人形、東京銀器、東京手描友禅、多摩織、江戸切子、江戸硝子など17品目をご紹介します。
神奈川県の伝統的工芸品
令和4年(2022年)の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の舞台である神奈川県。そんな神奈川県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、20品目以上の伝統工芸品が存在します。この記事では、経済産業大臣によって神奈川県の「伝統的工芸品」として指定されている鎌倉彫、箱根寄木細工、小田原漆器、江戸押絵をご紹介します。
おわりに
関東地方だけでも、これだけの伝統的工芸品があることに驚かれた方も多いかもしれません。
これらの多くは私たちが日常的に使っているものも多く、その美しさや温もり、優れた実用性を実感している方もいるでしょう。
それぞれの伝統的工芸品が、風土と伝統に根差し、何百年も継承された技が磨かれ、多くの人たちに愛用されてきたからこそ今に伝えられてきました。
伝統的工芸品は、日本が誇る素晴らしい作品です。
私たちが使い続けることで、後世にも残していきたいものですね。
日本には何十年、何百年も前から受け継がれてきた技術を用いた、伝統工芸品が数多く存在します。技術の革新により機械化が進み、安価で使いやすい商品がどんどん市場に出回っている昨今、手作業で作られる伝統工芸品は需要が少なくなり、追い詰められているのが現状です。
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日本には多くの種類の織物があります。どの織物も素晴らしい技術を使って織られますが、その中でもこの記事では国によって伝統的工芸品に指定されている38種類の織物を紹介します。材料や織り方、染め方など、地域の特性を生かして織り出される布は、どれも独特な個性があるので比べてみると楽しいかも知れません。
粘土を成形し、高温の窯などで焼成し器や造形物を作ることを陶芸と言います。
火山の噴火によってできる岩石が長い年月をかけ砕かれ、有機物と混ざりあったものが粘土。
世界中に存在しています。
陶芸によって作られる陶磁器と呼ばれるものにはおおまかに2種類あり、土が主な原料で叩いた時ににぶい音がするのが「陶器」。
指物とは、釘を使わずにホゾや継ぎ手で木材を組み、且つ外側に組み手を見せない細工を施した木工品をいいます。指物と言うよりは和箪笥、和家具と言った方が、想像しやすいかもしれません。
指物と言われる由縁(ゆえん)は、物差しを多用し、木を組んで制作することから来ています。
日本には伝統的なものが数多くあり、染色、染物技術もその一つです。
染色(染物)といえば着物をイメージする人も多いと思います。
着物の種類は染め方によって多種多様で、希少価値の高いものから日常的に着られるものまでさまざまです。
金工とは金属に細工をする工芸、あるいはその職人のことを指し、金属を加工して作られる工芸品のことを金工品と言います。日本に金属とその加工技術がもたらされたのは、弥生時代初期、紀元前200年頃のこと。中国大陸・朝鮮半島から伝わった金工技術によって剣や銅鐸、装身具などが作られ、材料として青銅や鉄が使われていました。
使うほどに手になじみ、美しい光沢が生まれる漆器は、日本が誇る伝統工芸です。時代とともに発展し、今では「Japan」と呼ばれて世界中から日本の工芸として親しまれています。この記事では、日本人の生活や文化とともに発展を遂げてきた漆器とはどのようなものなのか、その歴史や作り方、お手入れの方法などをご紹介しています。