いよいよ来年に控えた東京オリンピック。
1964(昭和39年)年の東京オリンピックをご存知の方は、2020年(令和2年)に行われる東京オリンピックと比較をしながら楽しむことができます。
当時はなかった競技種目が追加され、存在していなかった競技場もできており、時代の流れを感じることもできるでしょう。
この記事では、2020年(令和2年)の東京オリンピックをさらに楽しめるよう、1964年(昭和39年)の東京オリンピックの概要をおさらいします。
東京オリンピック1964年(昭和39年)と東京オリンピック2020年(令和2年)の開催場所と競技内容
1964年(昭和39年)の東京オリンピックの開催場所と競技内容は以下の通りとなります。
そして、2020年(令和2年)の東京オリンピックの開催場所と競技内容は以下の通りです。
東京体育館、国立代々木競技場、武道館、馬事公苑、陸上自衛隊朝霞訓練場、江ノ島ヨットハーバーなど、1964年東京オリンピックで使われた場所が今回も使われます。
オリンピックスタジアムは、国立競技場を建て替え、開会式、閉会式をはじめ、陸上やサッカーが行われる予定です。
東京国際フォーラムや国技館、有明テニスの森、有明アリーナなど新しい施設も使用されます。
1964年に比べて2020年の東京オリンピックは、もちろん競技も増えていますが、開催場所も2倍以上増えていることが分かります。
東京オリンピック1964年(昭和39年)の来場者数
1964年に日本に来た訪日外国人旅行者の数は、35万人でした。
そこから54年後の2018年の訪日外国人旅行者は3,119万人。
そして、1964年の訪日外国人旅行者数35万人のうち、オリンピック関係の観光客は、約5万人だったそうです。
その内、選手や大会関係者が9千人となっており、純粋にオリンピックを観るために日本に訪れた訪日外国人旅行者は、約4万1千人となります。(推定)
2020年の東京オリンピック期間に日本に訪れる方は、どれくらい増えるのか、今から楽しみですね!
東京オリンピック1964年(昭和39年)の聖火ランナー
東京オリンピック1964年(昭和39年)の聖火は、開会式の約2ヶ月前にギリシャをスタートしました。
トルコ、インド、マレーシア、フィリピン、香港など世界の11箇所の中継地を経て、沖縄に到着しました。
日本国内では全都道府県を回ることを前提にコースが組まれ、参加リレー走者は10万713名という記録が残っています。
最終聖火ランナーは坂井 義則氏でした。
坂井氏は広島県出身で、戦時中に出生したそうです。
聖火ランナー最終走者を経験しているからこそ、「オリンピックは平和の祭典であってほしい」という想いが人一倍強かったようです。
2020年(令和2年)の聖火ランナーは2019年の6月中旬から募集が始まりました。
選ばれる対象となるのは、2008年4月1日以前に生まれたすべての人で、国籍や障害の有無、性別、年齢などバランスを考えながら選ばれます。
国や地方自治体の首長、政治団体のトップなどは聖火ランナーになれません。
宗教活動に利用することも禁止されています。
最終ランナーが誰に選ばれるの、想像するのも楽しいですね。
1964年(昭和39年)と2020年(令和2年)の東京オリンピックの競技種目
東京オリンピック1964年(昭和39年)で行われた20競技と、2020年(令和2年)の東京オリンピックで行われる、33競技を以下にまとめました。
野球、ソフトボールは2008年北京オリンピック以降行われていませんでしたが、2020年の東京オリンピックでは復活します。
オリンピック史上初の競技として、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンが新たな種目として追加されました。
見慣れた競技が多いですが、男性しか参加できなかった競技が多くあったことが分かります。
柔道やレスリング、サッカーなども男性競技のみでしたが、2020年(令和2年)の東京オリンピックでは、女性競技も追加されています。
2020年(令和2年)の東京オリンピックで男性のみの競技は野球のみとなっています。
時代が進むにつれて女性が参加できる競技が増えたことは非常に良いことですね。
東京オリンピック1964年(昭和39年)に日本が獲得したメダル
1964(昭和39年)年の東京オリンピックで日本が獲得したメダルは金16個、銀5個、銅8個です。
当時から体操と柔道は非常に強かったことが分かります。
金 メダル
銀 メダル
銅 メダル
東京オリンピック1964年(昭和39年)のメダルを取った国ランキング
東京オリンピック1964年(昭和39年)の参加国は 93ヶ国であり、1964年当時までに開催されたオリンピックの中で最も参加国が多く、選手の数は5,152人でした。
メダル獲得数が多かった上位5ヶ国のメダルの数と参加人数(選手の数)を比べてみました。
ベスト5は以下の通りです。(メダルの合計獲得数より、金メダルの数を優先して記載しています)
1位 アメリカ 合計90個(金:36 銀:26 銅:28)
2位 ソ連 合計96個(金:30 銀:31 銅:35)
3位 日本 合計29個(金:16 銀:5 銅:8)
4位 東西ドイツ統一チーム 合計50個(金:10 銀:22 銅:18)
5位 イタリア 合計27個(金:10 銀:10 銅:7)
参加人数が多ければ、メダルを獲る候補者も増えますが、以下を確認していただければ分かる通り、参加人数とメダルの個数は比例していないようです。
アメリカ 346人(男性267人、女性79人)
ソ連 317人(男性254人 女性63人)
日本 355人(男性294人 女性61人)
ドイツ 337人(男性275人、女性62人)
イタリア 168人(男性157人、女性11人)
日本は参加人数が多かった割にメダル獲得数が少ないのは気になりますが、1位、2位と差は開いたものの、開催国で応援が多かったこと、選手たちも自国での開催に奮起したことで3位という好成績を収めました。
上位4国は300人を超える選手が参加しており、他の国に比べると参加人数が多かったため、メダルの獲得数も多くなったと考えられます。
東京オリンピック1964年(昭和39年)によるインフラの発達
東京オリンピック1964年(昭和39年)で、日本はアジアで初めての開催国として選ばれました。
当時からオリンピックは大きな経済効果が期待でき、より便利で豊かな国になれるチャンスと捉えていました。
東京オリンピックが開催されたことにより発達したインフラの実例を、いくつかご紹介します。
東 海道新幹線の開通
東京オリンピックが開催されたことで、東海道新幹線も開通しました。
オリンピック以前からJR東海道本線(在来線)はありましたが、多くの人が短い時間で移動するのは難しい状況でした。
そんな中、国をあげて取り組んだのが、東海道新幹線です。
オリンピック開催の5年前となる1959年4月20日に着工しましたが、オリンピック開催に間に合うかどうかはギリギリのスケジュールでした。
他国でも大きな大会などが開催される前に、スタジアムの建設が間に合うのかというニュースを見たことはないでしょうか?
東海道新幹線も間に合うのか心配されていましたが、そこは我らが日本!
東京オリンピック開催日の10日前となる1964年10月1日に無事に開通しました。
当時関わっていた方は気が気ではなかったと思いますが、今あらためて振り返ってみると、オリンピックの開催に間に合わせようとする熱い想いが感じられるエピソードですよね。
東 京モノレール
現在でも羽田空港へ行くのによく使われる東京モノレール。
東京モノレールも1964年の東京オリンピックに合わせて作られました。
1964年9月に浜松町駅から羽田駅(現・羽田空港駅)間が開通しました。
当時の来場者はどのようにして会場へ向かったか
東京オリンピック1964年(昭和39年)の開催に伴って、交通機関も発達しました。
当時、オリンピックを見に行った人々はどのような交通手段を使って会場に向かったのでしょうか。
考えられる方法を以下に並べてみました。
・新幹線
・飛行機、モノレール
・電車
・自動車
新幹線や飛行機、モノレールの利用者は地方に住んでいる人の交通手段です。
東京近郊や都内に住んでいた人の交通手段は電車や自動車がメインになるため、自動車で会場に向かう人たちを予想して、道路も整備されました。
これによって、羽田空港から都心へのアクセスがしやすくなりました。(とはいえ、オリンピック前後は大渋滞だったようです。)
環状七号線(通称「環七」)も、駒沢オリンピック公園、馬事公苑、陸上自衛隊朝霞訓練場(ライフル射撃競技の開催場所)、戸田漕艇場(ボート競技の開催場所)などにアクセスしやすくするための主要な道路として開発されました。
東京オリンピック1964年(昭和39年)のために建てられた建築物
作られたのは交通機関だけではありません。
オリンピック会場となる建物やスタジアムなど、オリンピックに関連する様々な建築物が建てられました。
その中でも有名なものを中心にいくつかご紹介します。
日 本武道館
皇居に隣接し、今でもコンサートやスポーツの大会などで使用される「日本武道館」も1964年の東京オリンピックに合わせて建てられました。
東京オリンピック1964年(昭和39年)で柔道が正式にオリンピック競技に加わり、この日本武道館で行われました。
江 ノ島ヨットハーバー
1964年の東京オリンピックでは、ヨット競技も行われました。
日本初の競技用ヨットハーバーが、江ノ島ヨットハーバーです。
大会時は強風で、優勝候補だった選手が海に転落した選手を助けたことから「人類愛の金メダル」と呼ばれ、注目されました。
江ノ島ヨットハーバーは現在でも大会で使用されており、2020年の東京オリンピックでも会場として使われることが決まっています。
国 立代々木競技場
日本を代表する以下の建築家3人によって設計され、吊り屋根方式を用いた独特のデザインが評価されました。
建設・総合意匠:丹下 健三氏(東京大学助教授)
構造:坪井善勝氏(東京大学教授)
設備:井上宇市氏(早稲田大学教授)
1964年の東京オリンピックでは、第一体育館は水泳、第二体育館はバスケットボールが行われました。
馬 事公苑
世田谷区にある馬事公苑は馬術競技の会場として使用されました。
現在では国営競馬が開催されたり、騎手の養成所として利用されたりしています。
2020年の東京オリンピックでも、馬術競技の会場として使用される予定です。
N HK放送センター
NHK放送センター(旧 東京放送会館)は元々、日比谷にありました。
1964年の東京オリンピックで放送センターとして利用されていた建物が、オリンピックの後、正式にNHKの本部として位置づけられ、渋谷区に移転しました。
ホ テルオークラ
オリンピック前は訪日外国人の数が少なかったので、旅館などの日本独自の宿泊施設はあったものの、現在のように外資系ホテルの数は多くありませんでした。
オリンピックで外国人旅行者も増えると見込み、グローバル・スタンダードに準じたホテルが次々と建設されました。
ホテルオークラもその一つとして建設され、オリンピック後もVIPの宿泊施設として利用されてきました。
東京オリンピック2020年(令和2年)の注目選手、メダル候補
陸 上:桐生祥秀選手
日本人初の9秒98を2017年9月の日本学生陸上選手権で叩き出しました。
2016年リオデジャネイロオリンピック4×100mリレーの銀メダリストでもあり、第23回アジア陸上競技選手権大会、男子100mで優勝しています。日本人が優勝するは初めてです。
陸 上:サニブラウン・ハキーム選手
2019年6月7日、米テキサス州オースティンで行われた全米大学選手権の男子100m決勝で、桐生選手の記録を塗替え、9秒97の日本新記録を出しました。
200m決勝でも、日本歴代2位となる20秒08という記録を出しており、オリンピックでメダルが狙えそうな期待の選手です。
柔 道:阿部一二三選手
2014年のグランドスラム東京、2016年の全日本体重別選手権ではリオ五輪銅メダリストから勝利を勝ち取り、優勝しています。
また、2018年9月にアゼルバイジャンの首都バクーで開催された柔道世界選手権大会でも優勝し、堂々の2連覇を達成しています。
卓 球:加藤 美優選手・伊藤 美誠選手
加藤選手は、中学1年生のとき、全日本卓球選手権で女子シングルベスト16入りを果たし、次世代のホープとして活躍が期待されています。
伊藤選手は2017年に行われたITTFワールドツアー・チェコオープンで世界ランキング7位の石川佳純選手を破り、初優勝を果たしています。
体 操:白井 健三選手
記憶に新しい2016年のリオオリンピックでは団体で金メダル、種目別のゆかで銅メダルを獲得しています。
2017年の世界選手権でも床、跳馬で金メダルに輝き、個人総合でも銅メダルを獲得しました。
水 泳:瀬戸大也選手
2017年の世界水泳で200mバタフライと400m個人メドレーの2種目で銅メダルを獲得。
2018年12月11日、世界短水路選手権の200mバタフライを、1分48秒24の短水路世界新記録で制し、400m個人メドレーでは大会4連覇を達成。
2018年にインドネシアのジャカルタで開催されたアジア大会でも200mバタフライ、400m個人メドレーで優勝しています。
おわりに
1964年と2020年の東京オリンピックを、比較しながらご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
オリンピックが開催されることでインフラが発達したり、さまざまな建築物が新設されたりと、その影響力の大きさも感じ取っていただけたと思います。
1964年には男性しか参加できなかった競技や、2020年に新しく加わった競技を知っているだけでも、また違った感覚で応援ができるかもしれません。
2020年の東京オリンピックまであと約1年(2019年7月時点)聖火ランナーは一般市民ランナーを募集しますし、これからますますオリンピック関連の話題で盛り上がるでしょう!

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